低用量ピルと中用量ピルの違いを解説
低用量ビルは、OCとも呼ばれ「Oral Contraceptives」の略で「低用量経口避妊薬」を指しています。
日本では、1999年に低用量ピルが医薬品として承認されるまで、主に婦人科の治療用に処方される中用量ピルだけでした。
現在、日本で経口避妊薬と言えば、トリキュラーの様にほとんどがこの低用量ピルのことを指しています。
避妊効果をメインの目的とした場合は、副作用の少ない低用量ピルを服用します。
高用量ピル、中用量ピルは、主にホルモン異常などの病気に対して医師の管理下で利用されています。
低用量というからには、他の中用量ピルや、高用量のピルも存在します。
簡単に言えば、有効成分であるホルモン剤の用量の「多い/少ない」「高い/低い」ということです。
ピルの副作用の多くは、含まれている卵胞ホルモン(エストロゲン)に左右されています。
有効成分であるホルモン含有量が多い場合は、強い効果とともに、それだけ副作用リスクも高くなるということになります。
低用量ピルとは?
卵胞ホルモンの用量を50μg未満にしたものが、低用量ピルです。
低用量ピルの卵胞ホルモン剤の用量は20μgから40μg程度で、日本で認可されているピルは30μgから40μgとなっています。
卵胞ホルモン剤30μg未満のピルについては、特に超低用量ピルといわれることがあります。
日本では認可されていない低用量ピルの中には、この超低用量ピルも含まれており、個人輸入で通販している人も少なくありません。
以前はホルモン系の病気の治療のために、医療用として、婦人科で中用量ピルが処方されていました。
ホルモン量が多いために、副作用も強く出現するケースが多く、中用量ピルを避妊目的で服用するのは副作用リスクが高かったのですね。
海外では低用量のピルが一般的になっている時代(1980年代のバブル期など)でも、日本では承認されていなかったのです。
文化や習慣の違いも大きく影響していたと考えられますが、1990年7月に申請されてから9年間にわたる異例の長期審査を経て、厚生省は1999年6月17日ホルモン量の少ない経口避妊薬(低用量ピル)を医薬品として承認しました。
当時、国連加盟国で低用量ピルが承認されていなかったのは、日本だけでした。
低用量ピルと中用量ピルの副作用の違い
この低用量ピルの認可以前は、中用量ピルだけだったので、頭痛、吐き気、体重増加、胃痛や腹痛、胸のムカつき、悪寒などなど副作用が大きくクローズアップされていました。
ピルは副作用が強い、身体に悪いというイメージが強く残っているのは、当時の口コミの遺物ともいえるかもしれません。
もちろん、低用量ピルでも体質に合わないケースあります。
個人差もおおきくありますし、飲み続けても身体がなれない場合や、別の種類の低用量ピルに変えたら軽減する場合もあります。
相性は、本当に人それぞれなのですね。
ただし、低用量ピルと中用量ピルでは、副作用の出現率や、レベルもまったく違います。
以前の高用量・中用量ピルと比較して、ホルモン含有量は5分の1から10分の1に減っています。
副作用の原因となる有効成分の量自体が違うので、当たり前といえば当たり前ですよね。
低用量ピルは身体への影響も優しくなっていますので、上手に利用すれば女性たちの強い味方にもなってくれるでしょう。