ピルの飲み方
低用量ピルは、月経の初日に服用をスタートして21日間毎日服用し、その後1週間休薬するのが基本の飲み方です。
休薬期間に女性ホルモンを配合していないプラセボ(偽薬)を服用するタイプもあります。
21錠タイプが1週間休薬する飲み方で、28錠タイプがプラセボを服用する飲み方です。
28錠タイプは、毎日決まった時間に服用するという習慣をくずさないため考案されたタイプです。
偽薬はシートから取りだして飲まずに捨ててしまっても、ピルの効果にはまったく影響がありません。
21錠タイプは7×3という形で、1クール分が3列に1つのシートに並んでいます。
1週間分の飲みはじめは、当然いつも同じ曜日になります。休薬をスタートする曜日も同じです。
28錠タイプは7×4という形で、1クール分が4列に1つのシートに並んでいます。最後の1列は偽薬で、他の3列とは錠剤の色が別になっています。
<月経初日のスタートとは?>
ピルを飲みはじめるのが月経初日というのは、初めてピルを服用するときのスタート日です。2シート目からは、1シートを飲み終わった翌日からスタートします。
月経初日とは月経が始まってから24時間以内という意味です。夜に月経が始まったとしたら、翌朝ピルを服用してもかまいません。
2シート目からも月経初日に飲みはじめると勘違いしている人がいるので注意してください。ピルを服用すると、それまでのような明瞭な月経はなくなります。
<休薬期間の消退出血とは?>
ピルを服用していると排卵がなくなり子宮内膜も厚くならないので、月経の出血は少なくなります。人によってはほとんど出血しなくなります。
ピルを服用しているときの月経は消退出血と呼ばれています。消退出血は必ず休薬期間(28錠タイプでは偽薬期間)に起きます。
ピルの服用で3週間安定して供給されてきた卵胞ホルモンと黄体ホルモンの供給が停止することで、子宮内膜の剥離が生じるのが消退出血です。通常の月経とはメカニズムが少し違います。
休薬期間の何日目に消退出血があるかは人によって違います。早い人は休薬初日に、遅い人は4~5日目になる場合もあります。
<毎日決まった時間に服用することが大切>
ピルは毎日決まった時間に服用します。これは、飲み忘れを防止するという意味でも、成分の血中濃度を安定させるという意味でも重要です。
ただし、飲む時間は朝でも夜でも、食前でも食後でもかまいません。
<旅行の日程と月経(消褪出血)が重なりそうなときは?>
ふつうの月経よりも軽いとはいえ、旅行、結婚式などのイベントと重なるのを避けたい場合は、休薬期間をずらすことで消褪出血の日を変えることができます。
とくにどの錠剤も成分の配合量が同じ1相式のピルは簡単なので、その方法を説明します。
次のシートの休薬期間、つまり消褪出血がある期間がイベントと重なるときは、現在飲んでいるシートの休薬期間に休薬せずに引き続き次のシートを飲みはじめます。
そうして、イベントのある1週間前に休薬をスタートすれば、そのときに消褪出血があります。
このように7日間休薬した後、新しいシートで服用を開始します。
薬が何日分か無駄になりますが、この方法で確実に消褪出血の日をずらすことができます。