低用量ピルで生理痛を改善
低用量ピルの副効能のひとつに、月経痛(生理痛)の改善があります。
個人差もありますが、生理痛は女性にとっては本当に厄介なもので。生理期間中は立ち上がれず寝込むくらいに具合が悪くなるという人もいます。
激しい下腹部の痛みだけでなく、腰痛や頭痛も一緒にやってくるケースも少なくありません。
そもそも生理痛は、受精卵のベットとして用意されている子宮内膜が、着床しなかったために不要となって剥がれ落ちるための痛みです。
排卵から生理までの周期が、女性の月経周期、生理サイクルとして閉経するまで、何十年と毎月延々と続くのです。
厚みを増して準備万端だった子宮内膜が、受精卵がこないので使われなくなり、ベリベリと剥がれ落ち生理となって排出されるために痛みが発生します。
生理中に気分が不安定になる理由
卵胞ホルモン(エストロゲン)は排卵後に急激に減り生理に至るのですが、その際に脳内のセロトニンも減ってしまいます。
脳内伝達物質であるセロトニンが減ると片頭痛になったり、気分が不安定になったりもします。
セロトニンは精神を安定させる「ハッピーホルモン」とも呼ばれたりもするくらいですから、生理中の気分の落ち込みやイライラは、このセロトニンの不足から引き起こされるものといえるのかもしれません。
ピルでホルモンバランスを整える
低用量ピルは、薬剤を服用することによってホルモンバランスを整える作用があります。
体内のホルモンを疑似妊娠状態にし、排卵抑制することで避妊効果がありますが、疑似妊娠状態なので受精卵のベットである子宮内膜は不要です。
つまり子宮内膜がの内壁が厚くならないまま月経が起きますので、経血が減り、排出のための子宮収縮も抑えられ、生理痛も軽くすみます。
経血量が少ないので期間も短くなり、一週間程度だった整理期間が3日で終了するようになったという人もいますよ。
ホルモンバランスも整うので、脳内のセロトニンもキープされて精神的な問題も改善されるのでしょうね。
低用量ピルの服用により生理自体の辛さや痛みがかなり軽減され、生理が軽く楽になったと感じる女性は多いのです。
ピルのさまざまな副効能
低用量ピルは生理痛の改善だけでなく、子宮内膜症や月経困難症などの治療に使われたりもしますし、月経前症候群(PMS)も改善されます。
子宮内膜が厚くならないので、子宮内膜症(子宮の内腔以外の場所にも子宮内膜が生育している病気)も改善します。
月経困難症(日常生活に支障をきたすほどの生理痛)に対しても効果的なのです。
排卵を抑制するので、排卵に伴う生理前の精神的、身体的な不調である、PMS(月経前症候群)の症状も緩和されます。
生理サイクルに伴う女性のさまざまな不調や苦痛が、低用量ピルの服用によってトータルに改善されるなんて本当に嬉しいですね。
生理中の痛みや辛さのために鎮痛剤を毎月使っている女性も少なくないでしょう。
痛みを抑えるだけの鎮痛剤とは違い、低用量ピルは生理痛への根本的な治療と言えるかもしれません。