ピルの服用と生理前のニキビ改善
経口避妊薬である低用量ピルは、PMS(月経前症候群)の症状を緩和を目的として婦人科で処方されることも多いのですが、実は皮膚科で処方されることもあります。
女性の身体は、月経に振り回されていると言っても過言ではありません。
毎月の排卵から生理まで、「月に支配されている」という人もいるくらいですね。
その生理周期、月経サイクルを司っているのがホルモンなので、「ホルモンに振り回される人生」でもあります。
生理前の苦労といえば、PMS(月経前症候群)の辛い症状や、アダルトニキビ(大人ニキビ)でしょうか。
大人になってから顎あたりにできるニキビ、生理周期に関係して出現が増えるニキビは、ホルモンバランスの影響が考えられます。
これらのアダルトニキビは、低用量ピルで改善する可能性が高いのですね。
低用量ピルは、女性の生理周期とともにホルモンバランスを整える効果があります。避妊効果だけでなく、月経痛が減ったり楽になったり、女性の身体のバランスを整えるのです。
人工的にホルモンバランをいったん崩し、更に強制的に整えなおすというのが、低用量ピルの作用なのです。
つまり、なんらかの原因で乱れていたホルモンバランスが整うことによって、バランスが乱れたために出現していたニキビも改善される結果となるのですね。
低用量ピルを服用スタートして、2-3ヶ月程度は身体が慣れていないのでニキビが出たけれど、その後はおさまってキレイな肌になったとか、身体が低用量ピルに慣れてくると、ニキビもでにくくなったという人も少なくありません。
個人の印象ではありますが、低用量ピルを服用するようになってニキビ改善だけでなく、肌ツヤも良くなったと感じる人もいるようです。
ホルモンバランスが整うのだから、肌がプルツヤになったとしても不思議では無いですね。
皮膚科では、単純なニキビ治療だけのために、安易に低用量ピルをすすめる医師は多くないと思います。
ただ、明らかに女性としてのホルモンの影響と、生理周期などよって判断された酷いニキビの場合は、処方される場合もあります。
低用量ピルの中にはニキビ治療薬と製造メーカーが言い切っているタイプもあり、海外ではニキビ用と考えている人もいるようです。
生理痛やPMS(月経前症候群)の改善効果も期待できる低用量ピルですが、女性特有の症状もある場合は重大な病気が隠れている可能性もあります。
ホルモンの影響は、とても多岐にわたりますし、非常に微妙でテリケート内容を含んでいたり、個人差もかなり大きいですから、
色々とホルモンの影響が予想される症状がある場合は、皮膚科では無く、婦人科にて専門の医師に相談して処方してもらうことをお薦めします。
副作用などもさまざまですし、不正出血があったり、もし他の影響が出現した場合でも、婦人科にかかっている方が相談しやすく安心ですよね。
メインが避妊目的で無かったとしても、低用量ピルを服用してみたい、服用してみたいと考える大人の女性なら、かかりつけの婦人科を持つのが良いでしょう。
他の事も含めて、いろいろと相談できるかかりつけ婦人科は、心強い女性の味方になってくれる筈です。