低用量ピルの種類について
低用量ピルには、「21錠タイプと28錠タイプ」、「1相性と3相性」などの種類の違いがあります。
<21錠タイプと28錠タイプ>
低用量ピルには21錠タイプと28錠タイプがあります。21錠タイプは、3週間薬を飲んだ後に1週間休薬します。
28錠タイプは休薬期間に有効成分(女性ホルモン)が含まれていないプラセボ(偽薬)を服用します。
21錠タイプも28錠タイプも避妊効果はまったく同じで、同じ商品で両方のタイプがあるものが少なくありません。
28錠タイプは毎日薬を飲む習慣をくずさないために作られた製品です。
<1相性と3相性>
3週間同じ成分の薬を飲むのが1相性ピルで、段階的に成分配合の違う薬を決められた順番で飲むのが3相性ピルです。
3相性ピルは自然のホルモンバランスの変化に合わせて、黄体ホルモンの配合量を3段階に分けています。
その配合は製品によって違いがありますが、避妊効果は同じです。卵胞ホルモンの配合量は変わりません。
3相ピルは自分の体質に合った製品を選ぶことで副作用を減らすことが期待できます。
1相性ピルは、すべて同じ成分の錠剤なので飲み間違いがないというメリットがあります。生理日をずらすのが簡単なのもメリットです。
3相性ピルは、自然のホルモンバランスの変化に合わせているので、1相性よりも副作用が少ないケースが多いのがメリットです。
また、3相性は1相性より自然の月経に近い消褪出血があります。これはデメリットととも言えますが、避妊効果を確認できる点ではメリットです。
<低用量ピルの世代>
初めて低用量ピルが開発されたのは1970年頃で、開発された年代によって第1世代から第3世代まで分けられます。
各世代の違いはおもに黄体ホルモンの種類の違いです。
開発の目的は副作用を減らすことですが、副作用の出かたには個人差があるので必ずしも新しい世代のピルが副作用が少ないとは言えません。
現在よく使用されているのは第2世代と第3世代の低用量ピルです。
●第1世代ピル
第1世代の低用量ピルは、黄体ホルモンとしてノルエチステロンを配合したものです。
中用量ピルに比べると副作用が少ないものの、なおつわりに似た副作用があるのが欠点でした。
●第2世代ピル
第2世代の低用量ピルは、その点を改善するために黄体ホルモンとしてレボノルゲストレルを使用しています。
避妊効果は確かで黄体ホルモンの量が少なくてすむので、副作用が第1世代よりも軽減しています。現在病院で処方されている薬の多くが第2世代ピルです。
しかし、レボノルゲストレルには吐き気などの副作用が少ない半面、ニキビや多毛症など男性化作用といわれる副作用があるので、段階的に黄体ホルモンの量を少なくする3相性ピルがほとんどです。
第2世代ピルの代表的な商品は、「トリキュラー」「アンジュ」「ラベルフィーユ」などで、それぞれに21錠タイプと28錠タイプがあります。
アンジュの成分はトリキュラーと全く同じで、国内版トリキュラーとも呼ばれていますので、アンジュを普段から服用している女性がトリキュラーへの切り替えは非常にスムーズです。
●第3世代ピル
第3世代の低用量ピルは、第2世代ピルの男性化作用をおさえる目的で開発されました。黄体ホルモンとしてデソゲストレルを使用しています。
代表的な商品は「マーベロン」「マーシロン」「ファボワール」などの1相性ピルで、やはりそれぞれに21錠タイプと28錠タイプがあります。
この他におもに月経困難症の治療に使われる第4世代の低用量ピルに「ヤーズ」があります。